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事故物件公示サイト運営者、大島てる氏に聞く(1)

【大島てる】圧力があっても削除しない! 大島てるが事故物件にこだわる意外な理由とは?(1/3ページ)

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「大島てる」は東京23区限定で始まり、現在は海外の事故物件情報も掲載

不動産を買う人、借りる人はもちろん、大家さんにとっても、最も避けたいもののひとつが、”いわくつきの物件”、つまり「事故物件」ではないでしょうか。物件を買う人、借りる人、さらには不動産会社や不動産投資家までに実用サイトとしての認知を広げているのが事故物件公示サイト『大島てる』。

その運営を行なう、大島てる氏にお話を伺いました。第1回目は、サイト開設の経緯や掲載基準など運営方針について聞いています。

——事故物件公示サイト「大島てる」とはどんなサイトなのか、改めてご説明いただけますか?

大島:「事故物件公示サイト 大島てる」は文字通り、事故物件の情報を公示するサイトです。グーグルマップ上に、事故物件を炎のアイコンでマッピングし、それぞれの物件について、「住所」「事故の発生した日付」「事故の内容」「写真」の4つを掲載しています。

開設は平成17年9月、当初は自分たちだけで情報を集めていましたが、情報の網羅性を高めるため、現在では投稿制にして、誰もが情報を書き込めるようにしています。エリアも当初は東京23区限定でしたが、現在では日本全国のみならず海外の一部にまで拡大しています。

 

——どういった経緯で「大島てる」を始められたのですか?

大島:もともとは私自身の仕事のために情報を集め始めたものです。不動産業が家業でして、土地を買ってアパートやマンションを建てたり、ビルを買ってテナントを集めて家賃をいただくといった大家、地主側の仕事でした。

自分たちが物件を購入する際に事故物件をつかまされたくないという思いから、事故物件の情報、データがまとめられたものがないか、ずいぶんと探したのですが、これがどこにも見つからず、自分たちで情報収集を始めたのです。

現在ではたくさんの人に訪れていただいていますが、サイトが注目されるようになるまで、丸4年がかかりました。丸4年経ってやっとサイトを紹介した記事がYahoo!のトップページに掲載されたのです。平成21年9月のことでした。

それまでは、本業の時間を削ってあちこち駆けずり回って情報を集めてもお金にはならないし、誰からも注目されず、タレコミもなければ苦情さえないという状況に、正直にいえば、ちょうど「いったい何のためにこんなことをやっているんだろう」と思い始めた頃でしたね。

とはいえ、「事故物件サイトをつくりました」といっても掲載された情報がほんの数件しかなければ何の意味もないわけで、世間の注目を集めるだけの情報を蓄積するためにある程度の時間がかかったのは当たり前だったのかなと、いまでは思っています。同じことをもう一度やれといわれても、もう二度とやりたくありませんが。

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