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新築マンション購入の基礎知識(2/5)

金利や地価の動向から考える賢いマンションの買い方

秋津智幸

2016/02/02

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変動金利型と固定金利型、どちらがおすすめ?

 マンション購入の際に気をつけたいのは、住宅ローンの金利です。住宅ローンには大きく分けて変動金利型と固定金利型のふたつがあります。

 変動金利とは、半年ごとに利率が見直される金利で、固定金利とは、借入時の金利で固定されるものです。それぞれの金利は10年以上の固定金利の場合は長期金利(10年物の国債金利)、10年未満の固定金利と変動金利は短期プライムレート(政策金利)に連動しています。

 政策金利や国債金利は景気がよくなると上昇する傾向があるので、銀行からの借入金利も連動して変動するということを覚えておきましょう。

 現在は低金利が続いているため、2015年10月末現在、変動金利型は1パーセント以下、35年固定金利でも2パーセント前後と、かなり低い水準となっています。数字だけを見れば変動金利型のほうが得に見えますが、それだけでは判断できません。

変動金利型から固定金利型への借り換えはむずかしい

 ローンを完済するまで20~30年はかかるのが一般的と考えると、返済が完了するまで現在の低金利が続くとは限りません。むしろ、今から見れば金利が上がることも十分考えられるでしょう。金利が低いうちは変動金利で借りて、金利が上がったら固定金利に切り替えようという考え方の人もいますが、実は変動金利よりも固定金利のほうが先に上昇する傾向があります。

 たとえば、変動金利が1パーセント、固定金利が2パーセントだった時期に変動金利でローンを組んだ人が、変動金利が3パーセントになったので固定金利に切り替えようとしても、そのときには固定金利はすでに4パーセントを超えていたということもあり得ます。

 つまり、変動金利が高くなったころには固定金利もより高くなっているため、変動金利が上がったから借り換えようとしても、実際には上がった変動金利よりもさらに高い固定金利に借り換えなければならないというむずかしい判断を迫られます。

多少金利が高くても固定金利型がおすすめ

 あえて変動金利型を選ぶのであれば、ある程度貯蓄をしつつ、繰り上げ返済などを利用して短期間でローンを返せるようにするべきでしょう。

 一方、固定金利型は、固定期間中は支払う金額に変動がないため、安心感があります。住宅ローンの返済額が一定なので、子どもの教育費や生活資金などの計画が立てやすくなるのが大きなメリットです。

 また、現在は固定金利型でも金利が非常に低い水準になっているのはポイントです。これ以上金利が大幅に下がるということは考えにくいので、できれば、変動金利型よりは多少金利が高くても固定金利型を選択したほうがいいでしょう。

 固定金利型と変動金利型を合わせたプランもありますが、変動金利型の部分については、これから金利水準がどうなるのか、先が見えないことには変わりありません。変動金利型を借りるときと同様に、変動金利部分のみを繰り上げ返済で早く返せる場合のみ利用することをおすすめします。

 また、固定金利でも3年固定、5年固定、10年固定など固定期間が短いものを選択する場合は、固定金利が終了した時点の金利が不明確なため、変動金利と同様できるだけ、繰り上げ返済を利用して元金を減らしておくことが必要です。

資産価値の下がらない住宅とは?

 金利と同様、地価も確認しておきたいポイントです。マンションの場合でも、一戸建てに比べると土地価格の割合が小さいですが、同じ予算で購入した場合、マンションのほうが立地がよい(駅に近い)傾向があり、立地がよい分だけ地価の影響を受けやすいので、地価の変動がマンション価格にも影響を与えます。

 現在、東京都心部や大阪中心部などの地価は上昇傾向にあります。特に東京は、2020年の東京オリンピックに向け、インフラや防災対策などの設備が進んでいるため、オリンピックの時期まで地価が大きく下がる可能性は低いと見られています。しかし、東京オリンピック後の地価の動きは予想がつきません。

 一方、地方都市では人口減少が進んでいる影響で一部の中心地を除いて地価が下がっています。今後、少子高齢化は益々進むことから、一部の地域を除けば、さらなる地価の値下がりが予想されます。

 できることなら資産価値の下がらない住宅を購入したいというのが誰もが思うことでしょう。高値つかみにならないよう、購入を考えている地域の地価動向をチェックしておくことは大切ですが、東京ではすでに一定の水準に達しています。

 ただ、地価動向を気にするあまり身動きが取れなくなってしまっては住宅購入はできなくなります。「資産価値が下がらない住宅はどれか」「いつが買いどきなのか」という議論に正解はありませんし、それだけが購入するか否かの判断基準ではありません。

住宅の「買いどき」はいつなのか?

 物件価格や資金計画、間取りや家族構成、周辺環境や通勤、通学の距離など諸条件をすべて検討したうえで、「いい物件だから購入したい」とご自身が思えるのであれば、それがご自身にとっての買いどきといえるのではないでしょうか。

 ただし、自分の経済的な側面を軽視して、無理な資金計画で購入することは避けなければなりません。

 売却して利益を得ることを狙う投資物件ではない限り、「買いどきはいつか」ということよりも、「自分が住みたい住宅かどうか」を重視することをおすすめします。

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この記事を書いた人

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント

公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、AFP、ファイナンシャルプランニング技能士2級。 神奈川県住宅供給公社にて、分譲マンション、一戸建・宅地分譲、高齢者住宅等の新規不動産販売部門に従事した後、同社賃貸部門にて賃貸物件の募集、管理業務に従事する。その後、不動産投資専門の仲介会社を経て、不動産コンサルタントとして独立。 現在は「不動産サポートオフィス」の代表コンサルタントとして、自宅の購入、不動産投資、住み替え、融資など多岐にわたる不動産に関する相談・コンサルティングを行なう。その他、不動産業者向けの研修や各種不動産セミナー講師、書籍、コラム等の執筆にも取り組んでいる。 主な著書に、「貯蓄のチカラ~30歳からのおカネの教科書」(朝日新聞出版)、「失敗ゼロにする不動産投資でお金を増やす!」「賃貸生活A to Z」(アスペクト)がある。

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