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床スラブ

スラブとは厚板、平板のことスラブとは厚板、平板のこと
床スラブとは床構造を形成し垂直な平面の荷重を支える板のことです。スラブ(slab)は石、材木、コンクリートなどの厚板、平板のことを表す英語で、建築以外の分野でも使われます。
スラブは床版(しょうばん)のことだと解説されることもあります。床版とは人や物の重さを支える橋の床板のことで、建築では鉄筋コンクリートの床版をスラブと呼んでいるのです。英語でも床スラブのことを「floor slab」と呼ぶことがありますが、日本語の場合は単にスラブと言えば大抵は床スラブのことを意味しています。ただし、スラブで造った屋根は「屋根スラブ」と呼ばれ区別されます。また、コンクリートで造られたスラブを「コンクリートスラブ」と呼ぶことも有ります。
コンクリート造の似たような部材として土間コンクリートがありますが、土間コンクリートは地面に支えられています。このため、地盤沈下しやすい土地には向いていません。スラブは2階、3階の床と同じように梁が支点となって荷重に耐えるという、地盤沈下にも強い構造になっています。
一般的に遮音性に優れる
木造や鉄骨では、床板の下に根太という部材を敷いて重さを支える構造になっています。これに対し、スラブは主に鉄筋コンクリート造で使われ、一般的には梁や小梁と一体化した構造になっています。
マンションや公共建築物などの床はほとんどスラブでできています。スラブは木造などより遮音性に優れています。一般的に厚いほど遮音性が高いと言われており、マンションなどを購入する場合は騒音対策としてスラブ厚を確認するように勧めているサイトもあります。
スラブには次のような種類があります。

・中実スラブ
在来型枠工法により梁と一体化したスラブ。遮音性等に優れるが小梁が出るため天井に凹凸ができる。

・ボイドスラブ
コンクリートスラブの中に鋼製のボイド(空洞)管、または球体ボイド(発泡スチロール)を入れた中空スラブ。天井は平らになり、中空部分に設備配管を通すことができる。ただし音の太鼓現象には注意が必要。

・フラットスラブ
床と柱だけで構成されるスラブ工法。階高を低く設定でき、梁のないフラットな天井面を造れるというメリットがあるが、横揺れなどの水平力に弱いため耐力壁などを設ける必要がある。

・ワッフルスラブ
平面ではなく、小さなリブ(補強部分)が格子状に造られるお菓子のワッフルに似たスラブ。リブには小梁と同じような効果があり、小梁なしでも大きな面積を支えることができる。