耐風構造

強い風にも耐えられる構造
「耐風構造」とは文字通り風に耐える構造のこと。日本大百科全書では「予測風圧力に対して安全で、かつ風による振動が居住環境として支障ないレベルにとどまるように設計された構造物を耐風構造という」と定義されています。学問の分野では構造力学、耐風工学などと共に研究が進められてきました。研究としての耐風構造には、強風中の飛散物の挙動を解明したり建物周辺の風を予測して強風災害に強い建物の設計を提案することから、風を研究してより良い都市づくりを提案することまで含まれることもありますが、ここでは建築物の耐風構造に絞ってご紹介します。 強い風に耐えるには、建物そのものが強固であることはもちろん、風を受けることを考えた構造になっていることが重要です。
耐風設計
日本では建物の耐風設計で通常考慮されるのは季節風と台風です。特に日本は台風の通り道となっているので、設計する際に考慮される風の荷重は地震荷重と並んで世界有数のものだと言われています。
建築基準法では2000年(平成12年)に風荷重規定が大幅に改定され、2007年(平成19年)には建築確認時に屋根葺き材等の構造計算書等の提出が義務付けられました(建築基準法施行規則改正)。また、日本建築学会では1981年(昭和56年)に建築物荷重指針・同解説を刊行し、設計者等が適正な荷重値を設定できるようにその手法や考え方を明示。その後も約10年ごとに改訂され続けています。
一般住宅の耐風構造
耐風構造というと高層ビルなどが思い浮かぶかもしれませんが、一般住宅にも風を考慮した構造は取り入れられています。例えば鉄骨ラーメン構造(柱、梁を重量鉄骨で構成し、その結合部が固定されている構造)などは主に耐震構造として知られていますが、風圧力を一点に集中させず、建物全体で粘り強く吸収する働きがあります。また、地震力に耐えられるよう設計された鉄筋コンクリート造りは風にも強く、竜巻にもよく耐えます。
ツーバイフォー住宅は北米で生まれましたが、北米と言えばハリケーン。ハリケーンは台風と同じものですが、最大風速が64ノット(約33メートル毎秒)以上のものでなければハリケーンとは呼ばれません(台風の場合は34ノット、17メートル毎秒以上)。この強風に耐えるため、ツーバイフォー住宅では独特の耐風構造が発達しました。
例えばツーバイフォー住宅では、「ハリケーンタイ」と呼ばれるあおり止め金具が取り付けられています。この金物は2303ニュートン(N)もの許容耐力を誇り、垂木と外壁を連結して強風で屋根が飛ばされることを防ぎます(風速70メートルの時に金物1個にかかる力は1666Nだそうです)。最近では軸組工法の住宅にもこのハリケーンタイが使われるようになりました。強風が軒下から吹き上げても屋根が持ち上がりにくい強固な構造として知られています。
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