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日本人に浸透した「坪」
坪とは尺貫法に基づく面積の単位です。「ウチの実家は面積が100坪くらいある。平屋だけどね」などと言われれば、大体の広さが思い浮かぶ方もいるでしょう。「坪」という表現は、それだけ日本人に浸透しているのです。
「一坪」は「一歩」だった?
尺貫法は中国に起源があります。漢の時代に体系化され、日本には7世紀頃伝来。701年の大宝律令によって法制化されています。その後しばらく単位については混乱が続きましたが、1891年の度量衡法によって完成しました。尺貫法と呼ばれるのは、長さの単位の「尺」と質量の単位の「貫」を度量衡の基本としたからです。面積については、以下のような単位があります。
  • 1町=10反(たん、段とも)=約1ヘクタール
  • 1反=10畝(せ)
  • 1畝=30坪(歩とも)
  • 1坪=10合(ごう)
  • 1合=10勺(しゃく)
坪は日本独特の単位です。奈良時代の養老令に「田は長さ三十歩、幅十二歩の広さを一段とする」という記述があり、面積としては一歩四方が「一歩」とされました(「歩」は長さと面積の両方で使われました。古代中国では二歩分の長さを「一歩」と言ったため、一歩は約1.8メートルです)。それが「一歩=ヒトツホ=ヒトツボ=一坪」と変化していったと推測されています。また、もともとは1人1日分の米が取れる土地が1坪とされていました。ちなみに石(こく)は体積を表す尺貫法ですが、こちらは兵1人が1年で食べる米の量のこと。300万石の大名と言えば、300万人を1年間食べさせられる力があったということになります。
取引では「坪」は使えない
現在では取引や証明に関しては尺貫法を用いることは禁止されています(計量法)。代わって平米が用いられるため、不動産取引に関連する文書でも面積は平米で表されます。坪数が参考として表記されていることもありますが、必ず平米も載っているはずです。不動産登記においては坪が使われることはありません。「この土地は坪単価○○万円」と言われたりすると平米に直したいと思う人もいるでしょう。

1坪=約3.3㎡

約3.3㎡と覚えておけば、掛け算ですぐに土地の広さが概算できます。より正確な値を求める場合は、0.3025という数字を使います(逆数を使って割り出した数字です)。

100㎡×0.3025=30.25坪
100坪÷0.3025=330.578…㎡(330.57㎡)

不動産の面積の表示は小数点以下2桁まで。それ以下は切り捨てます。先の例では330.57㎡になるわけです。