長期修繕計画

マンションを長く安全に維持するためには、建物や設備が劣化して不具合が生じる前に修繕しなければなりません。そこで、計画的な修繕工事の内容やその周期、修繕費用の概算などを想定します。これを長期修繕計画といいます。

修繕積立金
修繕積立金とは、分譲マンションなどの区分所有者によって組織される管理組合によって徴収される費用です。建物の共用部分の維持・管理、長期修繕計画による修繕が必要となったときなどの費用を積み立てます。
マンションの修繕時期と修繕費用
マンションの共用部分は、5年や10年ごとなど定期的に塗装の修繕を行ったり、専門家などのアドバイスによって20年や30年ごとに大規模な修繕工事を行ったりします。修繕の時期はマンションの仕様によってそれぞれ計画され、特定の修繕時期は決められていません。大規模な修繕にかかる費用は、一戸あたり50~100万円だといわれています。
修繕積立金の額
修繕積立金は、国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」によって、費用の目安を知ることができます。ガイドラインに提示されている修繕積立金は、専有部分の床面積の割合や階数によって異なります。その1カ月の平均値は次の通りです。
15階未満 5000㎡     218円/㎡
     5000~10000㎡  202円/㎡
     10000㎡以上   178円/㎡
20階以上         206円/㎡
修繕積立金の積立方法
修繕積立金の積立方法には、均等積立方式と段階増額積立方式があります。そのほか、マンションを購入するときにある程度まとまった額を徴収する場合や修繕が必要なときに一時金を徴収する場合もあります。均等積立方式は、長期の修繕計画による工事費をもとに、計画期間中に均等に修繕積立金を積み立てていく方法です。均等という言葉が入っていますが、計画の変更などによって積立金の額が変更する場合もあります。段階増額積立方式は、最初に徴収する費用を抑え、修繕の必要に伴い、段階的に積立金を値上げしていく方法です。
長期修繕計画の作成に必要な書類
長期修繕計画を作成するためには、建物の竣工図書や設計図面、購入時のパンフレットなどが必要です。こういった書類は、管理組合によって保管される必要があります。
長期修繕計画の見直し
長期修繕計画は、共用部分の状態や建物そのものの劣化診断を専門家に行ってもらい、3~5年ごとに見直す必要があります。
管理組合
区分所有者によって構成される分譲マンションなどでは、建物の維持・管理などのため、管理組合が組織されます。

長期修繕計画の見直し

長期修繕計画は変化するもの
長期修繕計画とは、マンションの計画的な修繕工事の内容・周期、費用の概算などを想定した計画書のことです。国土交通省でも「長期修繕計画標準様式」「長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメント」を作成しており、「適切な内容の長期修繕計画の作成及びこれに基づいた修繕積立金の額の設定を促し、マンションの計画修繕工事の適時適切かつ円滑な実施」を図っています(ガイドラインより)。 しかし、マンションは言わば生き物。それぞれが違う建物として次第に劣化し、不具合が出るものです。すると年月が経つうちに、個々の長期修繕計画と合わない箇所が出てきます。マンションと同じく、長期修繕計画も数年ごとに見直さなければならないのです。
計画の見直しに潜む問題点
長期修繕計画の見直しには、コンサルタント会社の協力を仰ぐこともあります。しかし、管理会社やコンサルタント会社が癒着、バックマージン、談合でつながっているケースが少なくありません。第三者の立場で長期修繕計画を見直すべきコンサルタント会社が、管理会社などに便宜を図ったりしたら、管理組合にとって適正な工事は行えません。 2017年1月には国土交通省から「設計コンサルタントを活用したマンション大規模修繕工事の発注等の相談窓口の周知について」という通知が出されており、「発注者たる管理組合の利益と相反する立場に立つ設計コンサルタントの存在が指摘されています」と課題を打ち出しています。そこで指摘されている事例を簡単に説明すると、
  • コンサルタントに業務を依頼したら、実際に調査診断・設計等を行ったのは施工会社の社員。コンサルタントは実は技術者でない社長と事務員一人だけの会社だった
  • 設計会社が、施工会社の候補5社のうち特定の1社だけ見積金額が低くなるよう工作していたことが発覚、結局設計会社は辞退した。その後調べたら設計会社の書類は使い物にならないものだった
等、驚くべきものが並んでいます。特に「一部のコンサルタントが、自社にバックマージンを支払う施工会社が受注できるように不適切な工作を行い、割高な工事費や、過剰な工事項目・仕様の設定等に基づく発注等を誘導するため、格安のコンサルタント料金で受託し、結果として、管理組合に経済的な損失を及ぼす事態が発生している」という一文は、コンサルタント料が安くてもトータルで損をさせられる事例が複数あるということです。 国土交通省では、管理組合や区分所有者の疑問や相談について、相談窓口を用意して建築士等によるアドバイスを行なっています。
なお、最近ではこのような状況を鑑み、癒着・談合を遠ざけ、バックマージンを受け取らないことをモットーに掲げるコンサルタント会社も増えています。
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