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布基礎

基礎は家の土台
家づくりにおける「基礎」は、誰でも一度は目にしたことはあると思いますが、あまり印象に残っていない人も多いのではないかと思います。なぜなら基礎は家が建ってしまえば外から見えなくなってしまうからです。しかし、家が宙に浮くものではありません。地面にしっかりと建てなければならない以上、地面と接する基礎部分は家づくりの土台になる重要部分だと言えます。
基礎は家と地面をつなぐ所、別の言い方をすれば「家の重さを地面に伝える」部分のことです。大きな重量を均等に地盤に伝えることにより、家が傾いて損傷したり沈下したりしないようにしています。特に木造住宅では「ベタ基礎」と「布基礎」と呼ばれる基礎が主流になっています。
ベタ基礎と布基礎
ベタ基礎とは床下全体にコンクリートを敷き詰める基礎のことです。地面から昇ってくる湿気やシロアリも防ぐことができるため、防湿基礎と呼ばれることもあります。安定性が高く、荷重の分散能力にも優れています。地震の揺れにも強く、軟弱地盤や建物が重い場合にはベタ基礎が採用されることが多いと言います。布基礎は建物の壁や柱の部分に沿ってコンクリートを打設する基礎のことです。日本の木造住宅では伝統的に布基礎が多く採用されています。ベタ基礎が面で建物を支えるとすれば、布基礎は壁に沿って線で支える構造だと言えるでしょう。布基礎は縦に伸びる「基礎梁」の下に横に広がる「フーチング」がくっついた逆T字型の構造をしており、例えば寒冷地ではよく採用されます。これは地面が凍る深さより下まで基礎を作らねばならないためで、どんな条件でもベタ基礎が優れているわけではありません。
布基礎のメリット・デメリット
布基礎のメリットはベタ基礎よりコストが安いことが挙げられます。これは全面をコンクリートで覆うベタ基礎よりも必要なコンクリート量が少なくて済むからです。また、布基礎は壁や柱に沿って打設され、フーチングから立ち上がりの上まで高さがあるので、上からの荷重を受け止めやすくなります。さらにベタ基礎より布基礎の方が軽いので、地盤にかかる負荷も少なくなるようです。特に地盤が固い場合はコスト面で布基礎が有利だと言えるでしょう。
ただし、布基礎は地面からの湿気に弱いため、シロアリやカビに注意が必要です。また、建物が古くなるとバランスが崩れることもあります。
布基礎とベタ基礎は一長一短あり、どちらを採用するかは地盤の状況や家の重さを考慮して判断する必要があります。