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メゾネット

メゾネットタイプとフラットタイプ
賃貸住宅の情報を見ていると、「メゾネット」や「メゾネットタイプ」と表記されている物件が散見されます。メゾネットには何となくおしゃれな響きがありますが、それもそのはず。元はフランス語で「小さな家」を意味する「maisonnette」が語源なのです。一般的には、集合住宅の室内に内階段があり、2階以上の階層をつないでいるものをメゾネットと呼びます。
「メゾネットタイプ」は「フラットタイプ」に対する用語として使われるようになりました。1フロアのみを使用する通常の賃貸住宅のことをフラットタイプと呼んで、2階以上がつながっているメゾネットタイプと区別したわけです。したがって一戸建て住宅はメゾネットとは呼ばれません。一般的には、アパートよりマンションタイプの物件でメゾネットは多くなっています。
ちなみにロフト付き物件にも階段を備えたものがあるので混乱するかもしれませんが、ロフトは部屋の基準(天井の高さが2.1m以上、窓の面積が床面積の1/7以上なければならない)を満たしていないので、メゾネットの条件には当てはまりません。また、一戸建て住宅のように複数階で構成された物件が連なっている建物の場合はテラスハウスと呼ばれ、メゾネットとは区別されます。
メリットが多いメゾネット
メゾネットタイプのメリットとしては、内階段を設けることによって開放的な空間を実現しやすいことが挙げられます。メゾネットでは2階部分にバルコニーが作られていることが多いので、採光や通風にも優れています。上階を子供部屋にすれば、下に別の住居があっても騒音を気にする必要がありません。1階部分にキッチンがあることがほとんどなので、1階部分をリビング、2階部分をプライベート空間にすれば急な来客にも慌てずに済みます。また、最低2箇所は収納が設けられているので、片付けが容易なのもメリットです。さらにメゾネットには専用庭付きの物件も多いため、物置や洗濯物干し場など、様々に活用することができます。何よりマンションの耐震性・耐火性を備えながら一戸建て住宅のように暮らせることにメリットを感じる人も多いようです。
ただし、メゾネット物件にもデメリットがあります。内階段を設けるため、部屋に使えるスペースは減少します。階段があることでフラットタイプと比べるとバリアフリー性が低くなりますし、掃除などのメンテナンスが必要な範囲が広くなります。設計によっては冷暖房効率が悪い物件もあります(ただし、一戸建てであれば普通のことだと考えることもできます)。借りる際は「おしゃれだ」「かっこいい」と即決せずに、電気料金にも注目した方が良いでしょう。