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外壁サイディング

下見張り、モルタルからサイディングへ
日本の住宅で最も多い外壁は、かつてはモルタル壁でした。これは、建築基準法や消防法により外壁に防火仕様が求められたためです。日本の風土にいちばん合うのは土壁だと言われているのですが、土壁は雨に弱いので漆喰で仕上げ、軒先を大きく出して雨がかからないようにする必要がありました。しかし、住宅環境の変化から小さな土地に家を建てるようになると軒が小さくなります。そのため外壁は板(下見張り工法)に取って代わられるようになります。さらに昭和23年(1948年)の福井地震において甚大な火災被害が出ると、外壁の主流は火に強いモルタル壁になりました。
現在では窯業系サイディングが外壁の約70%を占めるようになっており、金属系サイディングを含めると約80%という圧倒的なシェアを誇ります。軽量で耐久性・耐火性に優れ、材料費・工費が安いなどのメリットがあります。
窯業系サイディング
最も高いシェアを占める窯業系サイディングは、セメント質材料、繊維質材料、混和剤、水などから成形されたものです。窯業とは非金属原料を高熱処理して作る工業のことで、窯(かま)を使用することからこの名があります。
窯業系サイディングの耐用年数は7~8年と言われます。窯業系サイディングの基材には吸水性があり、防水性能は塗膜によって実現されています。このため塗膜が劣化すると防水機能が低下します。ただし、グレードの高い窯業系サイディングには15~20年に一度メンテナンスを行えば事足りるものもあります。
金属サイディング
ガルバリウム鋼板、塗装ステンレス鋼板、アルミニウム合金塗装板などを使って製造された外壁材のことを金属サイディングと言います。施工性が高く、重量は窯業系サイディングの1/4、モルタルの1/10しかないので、躯体に対する負担が少ないのが特徴です。
木製サイディング
杉板を使った木製のサイディングも存在しています。木は燃えやすいというイメージがありますが、最近では準耐火構造の認定を取得した製品も登場しました。塗装されたものと無垢材のものがありますが、防火地域では薬剤処理を施した無垢材を使います。塗装されたものは5年程度で塗り直しが必要になります。無垢材では経年変化が楽しめます。
樹脂サイディング
塩化ビニルを使った樹脂サイディングは、30年間塗り替えの必要がなく、劣化の原因となりがちなシーリングも使用しない優れた建材です。ただし、デザインのバリエーションが少なく、イニシャルコストが高い(金属系サイディングと同程度)せいか、あまり普及していません。