ウチコミ!

金融商品取引法

前身は証券取引法
かつて「金融ビッグバン」という言葉が話題になったことがありました。金融ビッグバンとは1996年~2001年にかけて行われた大規模な金融制度改革のことを指します。この金融制度改革によって外国為替取引の自由化、金融持ち株会社設立の解禁、株式委託手数料の完全自由化、銀行窓口での保険販売全面解禁などが実現されました。その流れの中で成立した法律に金融商品取引法があります。
金融商品取引法は、利用者保護と透明で公正な市場を形成することを目的としています。前身は1948年に施行された証券取引法という法律。その名のとおり証券取引全般を取り扱うものでしたが、改定を繰り返した後、2006年に金融商品取引法に改正されました。
金融商品取引法によって変わったこと
金融商品取引法によって従来の金融商品の扱いは次のように変わりました。
  1. 金融商品取引業者は登録制
    金融商品を取り扱う業者はすべて「金融商品取引業」として登録しなければなりません(内閣総理大臣に申請)。
  2. 規制の横断化
    従来の法体系では金融商品は各法律により縦割りで規制されていましたが、金融商品取引法により横断的に規制されるようになりました。また、投資家保護のために様々な規制が設けられています。例えば「適合性の原則」により、客の知識や経験、財産の状況、投資目的に適合した商品を販売しなければならないとされています。また、広告等でも元本等に欠損が生じる場合があることなどを明記するように定められています。
  3. 特定投資家に対する柔軟化
    金融商品取引法では「特定投資家」と「特定投資家以外の投資家(一般投資家)」を区分しており、特定投資家の場合は金融商品取引業者等に課せられた「契約締結前の書面交付義務」等の規制が適用除外となります。
  4. 公正透明化
    市場の公正性・透明性を確保するため、有価証券報告書の確認書提出、内部統制報告書の作成と監査の導入、四半期報告書の作成などが定められました。
  5. 厳格化
    利用者保護の徹底などの観点から、不公正取引などに対する罰則が強化されました。
禁止されている取引
金融商品取引法では以下のような行為は禁止されています。
  • 相場操縦の禁止
  • 風説の流布、偽計、暴行、脅迫等の禁止
  • インサイダー取引
  • 空売り
(参考:Webサイト「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」金融商品取引法ほか)