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RC

RCとは「補強されたコンクリート」のこと
RCと言えば、一般的にはラジコンカー、あるいはトヨタ自動車が展開する高級車ブランド「レクサス」のクーペモデル「レクサスRC」を連想するかもしれませんが、建築の世界ではRCと言えば「鉄筋コンクリート(Reinforced Concrete)」の意味になります。Reinforced Concreteは直訳すれば「補強されたコンクリート」。RC造は「あーるしーぞう」と読み、鉄筋コンクリート造のことです。
RC造は柱や梁などの構造体に鉄筋の入ったコンクリートを用いたもののことです。圧縮力に強いコンクリートと引張力に強い鉄筋を組み合わせることによって強固な構造体を形成します。一般的に耐久性、耐震性、遮音性、耐火性に優れた建材として知られています。中高層の建物に多く用いられ、学校、マンション、ビルなどの大規模な建物のほとんどは鉄筋コンクリート造です。また、木造や鉄骨造の基礎部分に用いられることもありますし、土木の分野でもダムや高速道路、橋などを作るのに使われています。
RCの黎明
コンクリートは好きな形に造形できるのが特徴ですが、天然の石材と比べると特に引張強度が劣ります。そこで鋼材と併用して引張強度を補う試行錯誤がなされ、1867年にはフランスの庭園師モニエ(Joseph Monier, 1823-1906)が鋼の線材をコンクリートに埋め込み、植木鉢の製作に応用して特許を取りました。庭園師がコンクリート?と思うかも知れませんが、名古屋大学名誉教授・埼玉大学名誉教授の島田静雄工学博士は次のように解説しています(引用元は雑誌『橋梁&都市PROJECT』2007年1月号から連載されたもの。サイト「鋼橋ネットサービス」の「設計者技術情報」でも閲覧可能)。
植木鉢と言うと、日本では小さな朝顔鉢ていどの寸法を想像しますが、ベルサイユ宮殿の庭園にある植木鉢は、街路樹並の立ち木を植える大きな容れものである、と説明すれば、このアイディアに納得がいくと思います。(「易しくないコンクリート工学」1-1-4)
鉄筋コンクリートの弱点
優れた建材である鉄筋コンクリートですが、当然デメリットもあります。まず、鉄筋コンクリート造は地震に非常に強い反面、重量があります。軟弱地盤では沈むリスクがあるので、地盤調査の結果によっては杭打ち工事や地盤の改良が必要になります。また、コンクリートは木材と比べると12倍の熱伝導率があり、断熱に配慮しないとヒートブリッジ現象などに悩まされます。さらにコンクリート内の水分は乾燥するまでに2~5年ほどかかると言われており、湿気対策や結露対策が重要になります。