おとり広告

おとり広告とは不当表示のひとつです。不動産業界においては、架空の空室物件や売却済み物件、取り引きする意志のない物件などの広告を表示することをいいます。

おとり広告の目的
おとり広告を表示する業者の目的は、おとり広告の物件とは別の、借主や購入者を見つけたい物件をより多くの客に見せることです。そのため、たとえば実際には存在しない物件の広告について、価格を安く表示したり、条件を良く表示したりして、魅力的な物件のように見せて客を集めます。その後、おとり広告の物件の案内をうまく断って、本来見せたい物件の案内をすすめるというものです。
おとり広告の見分け方
おとり広告を表示する業者にとっては、消費者が目をひく魅力的な広告でなければ、おとり広告にはなりません。そのため、まず、地域の相場よりも家賃や価格が極端に安い場合は注意が必要です。相場よりも安くなるだけの条件があれば、相応の物件ということになりますが、そうでなければおとり広告であるか、ほかに何か問題がある可能性が考えられます。
また、物件の情報に、オーナーとの取引形態や物件の場所など、詳細な情報がきちんと記載されているか確認することが大切です。さらに、いくつかの不動産業者に同じ物件があるかどうかをチェックすることもおとり広告にだまされないポイントになります。ほかの不動産業者も取り引きしていれば、きちんと流通している物件ということになるからです。
不当表示
不当表示とは、消費者が商品やサービスを実際には購入できないにもかかわらず、購入できるかのような表示を業者がすることをいいます。不当景品類及び不当表示防止法、いわゆる景品表示法に該当する不当表示は禁止されています。景品表示法には、おとり広告に関する不当表示を次のように記載しています。
  1. 取引の申出に係る商品・サービスについて、取引を行うための準備がなされていない場合のその商品・サービスについての表示
  2. 取引の申出に係る商品・サービスの供給量が著しく限定されているにもかかわらず、その限定の内容が明りょうに記載されていない場合のその商品・サービスについての表示
  3. 取引の申出に係る商品・サービスの供給期間、供給の相手方又は顧客一人当たりの供給量が限定されているにもかかわらず、その限定の内容が明りょうに記載されていない場合のその商品・サービスについての表示
  4. 取引の申出に係る商品・サービスについて、合理的理由がないのに取引の成立を妨げる行為が行われる場合その他実際には取引する意思がない場合のその商品・サービスについての表示
罰則
おとり広告を行っている事業者に対しては、消費者庁長官が措置命令などの措置を行います。
おとり広告の相談窓口
おとり広告によるトラブルにあった場合には、国民生活センターや消費者センターで相談することができます。また、おとり広告と思われる広告があった場合には、消費者庁や都道府県の不当表示申出制度へ申し出を行うことができます。

なかなかなくならないおとり広告

おとり広告の種類
真っ当な不動産業者にとって、忌避すべきものが「おとり広告」です。人を惹き付けることにだけ高い能力を持っている存在を「客寄せパンダ」と言って揶揄しますが、「おとり広告」はさらにタチが悪いと言えるでしょう。何しろ「おとり広告」に載っているのは架空の空室状況だったり、売却済み物件だったり、最初から取り引きする意思がなかったりと、そもそも商品として存在していないものだからです。その広告に惹かれてやってきたお客さんは、別の物件を勧められることになります。 先に述べたとおり、おとり広告には次の3種類があると言われます。
  • 架空物件
    物件そのものが存在しないため、実際には取引することができない物件
  • 契約済み物件
    物件は存在するが実際には契約済みで、取引の対象となり得ない物件
  • 意思なし物件
    物件は存在するが、実際には取引する意思のない物件
また、ネットの不動産ポータルサイトの場合は、
  1. タイムラグ(成約状況がリアルタイムで反映されない)
  2. 削除忘れ
といった問題も指摘されています。結果としておとり広告と同じ「借りられない物件」が広告されている、ということです。
進む対策強化
最近ではおとり広告の存在がクローズアップされ、TV、新聞、雑誌などでよく取り上げられるようになりました。首都圏では業界・ポータルサイトを含めたおとり広告対策がすでに始まっているのですが、SUUMOジャーナル(2017/9/1)によれば、新たに近畿圏でも取り組みが始まったそうです。近畿圏のおとり広告は全国集計の43%を占めており、物件掲載数の割合から考えれば、ダントツで比率が高いとのこと。これからはポータルサイト広告適正化部会がおとり広告や不当表示を把握し、不動産業者間で情報を共有。表示規約違反として措置を受けた業者は、同部会を構成する5社が運営するサイトへの広告出稿を最低1ヶ月以上停止するそうです。 この他にも「借りられない物件」の広告掲載を減らす工夫をしたり、管理会社との連携を強化したりする取り組みも進んでいます。
おとり広告は時代遅れ?
取り締まりの強化と共に、最近では消費者が「情報の正確さ」を重視する傾向が強まっていると言います。インターネットなどで目当ての物件を見つけて不動産業者にアクセスした消費者がおとり広告を掴まされた(情報が間違っていた)場合、二度とその会社に問い合わせをしないという人が増えているのです。加えて規約違反のペナルティーを考えれば、おとり広告はデメリットしかない、時代遅れの手法になったとも言えます。なかなかなくならないおとり広告ですが、いずれ純粋な情報の質が勝者を決める時代が来るでしょう。
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