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安心R住宅

中古住宅について、一般的なイメージはあまり良いとは言えないようです。不動産投資を行っている人であれば、「少しの手直しで生まれ変わる物件」「本当の価値を見過ごされている掘り出し物」といった評価をするかもしれませんが、一般には「設備が古そう」「耐震基準はクリアしているのか」「いろいろ面倒くさそう」などと考えられがち。実際に中古住宅は千差万別です。一方で、現在の日本では中古住宅が余っているのに新築住宅が次々と建てられ、空き家問題が深刻化しています。この空き家対策として作られた制度の1つが「安心R住宅」です。

「安心・きれい・わかりやすい」中古住宅

「安心R住宅」は中古住宅販売を扱う不動産事業者の登録制度で、国土交通省が所管しています。同制度は「特定既存住宅情報提供事業者団体登録制度」として平成29年12月1日に施行され、「安心R住宅」には登録団体の名称を併記した標章が付与されることになりました。目的は既存住宅の流通促進。「不安」「汚い」「わからない」といった従来の中古住宅のマイナスイメージを払拭し、「住みたい」「買いたい」既存住宅を選択できる環境の整備を図るものです。

まず、「安心R住宅」は基礎的な部分が〝安心〟な住宅となっています。

  • 昭和56年6月1日以降に建築され、新耐震基準等に適合している。
  • 昭和56年5月31日以前に建築された場合には、耐震診断によって安全性が確かめられている。
  • 建物状況調査等の結果、既存住宅売買瑕疵保険の検査基準に適合している。
  • 共同住宅の場合、管理規約および長期修繕計画が存在していて、購入者の求めに応じて開示できる。

また、「安心R住宅」は事業者団体ごとに「住宅リフォーム工事の実施判断の基準」が定められているので、基準を満たしたリフォームが実施されます。リフォームされていない場合も、リフォームに関する提案書を購入者に渡し、リフォーム事業者を斡旋することが決められています(費用情報も開示されます)。購入者は〝きれい〟な住宅を手に入れることになります。

さらに、「安心R住宅」では目に見えない情報も「安心R住宅調査報告書」によって交付されることになっています。具体的には次のような情報も開示されます。

  • 建築時の情報(適法性など)
  • 維持保全の状況に係る情報(維持管理計画など)
  • 保険または保証に係る情報
  • 省エネルギーに係る情報
  • 共同住宅の場合は共用部分の管理に係る情報等

(参考:サイト「ホームズ君 よくわかる耐震」安心R住宅)