無断駐車への対応・対策

駐車違反

不動産投資のうち、駐車場経営を考えている人も多いのではないかと思います。そこで、駐車場ならではのリスクとして『無断駐車』があります。
無断駐車は、放置しておくと常習的にもなり、せっかくの土地を投資に活用できないなんてことにもなりかねません。
そこで、今回は無断駐車への対策や対応をいくつか紹介します。

貼り紙をする
無断駐車している車に『駐車禁止』や『警察に通報します』などの文言を貼り付けると心理的抑圧につながります。 ただ、警察は民事不介入という原則があるので、邸宅侵入罪などが成立していないと本格的には動いてくれません。 また、貼り紙の方法ですが、ドアに糊付けやガムテープで貼り付けるなどの方法は、剥がす際に車体を傷つける恐れがあります。こういった場合は、反対に損害賠償の支払い義務が貼り紙をした側に発生してしまうため注意しましょう。 車体を傷つけない方法として、ワイパーで貼り紙を挟みこむという方法が一番安全です。 さらに、貼り紙の文言が怒りに我を忘れて強い言葉になると強要罪、恐喝罪にあてはまってしまうこうともありますので十分注意してください。
カラーコーンを置く
カラーコーンが置いてあると無断駐車するためにわざわざ車を降りてカラーコーンを移動させて駐車することになります。 無断駐車する人の心理として手間を省きたいという点があるので、カラーコーンを設置するだけで無断駐車される可能性はかなり低くなります。
無断駐車禁止のたて看板を設置する
カラーコーンや貼り紙より費用はかさみますが、罰金なども記載されており無断駐車予防には役に立ちます。 ただし、たて看板に記載した罰金どおりの請求は難しくあくまでも警告にすぎません。 これについて、裁判例では、駐車場契約の駐車料金・近隣駐車場の駐車場料金などを勘案して相当額を請求できるにすぎないとしています(東京地判平成29年10月20日)。 この裁判では、無断駐車に対して5万円の罰金を掲示していましたが、5万円の支払いに対する明示または黙示の合意が認定できないとして、無断駐車の損害額として2000円のみが認められました。この判決は駐車していた時間がごく短時間という点も損害額に反映されています。
写真をとる
写真をとることによって後で有利に働くことが多いです。 長期間無断駐車している場合、車のナンバーを写した写真と、他の背景も写した写真を撮影すればわずかな費用で陸運局は車の所有者や住所を教えてくれる場合があります。 所有者が判明すれば請求も内容証明郵便で行ったり、弁護士に依頼したときもスムーズに進みます。弁護士に相談する場合には、写真を撮っておくことで、その後の立証が容易になったり、陸運局の問い合わせも弁護士が対応してくれたりと、その後の対応がスムーズになることが多いです。

このように無断駐車に対してはまず無断駐車をさせない環境をつくることが大事です。一度無断駐車を許してしまうと無断駐車が恒常的になってしまいます。
長期間の無断駐車に対しては少しでも早く解決することが一番望ましいので、個人で対応するのに限界を感じたら、いち早く弁護士などに相談するのがよいでしょう。

この記事のコラムニスト

森田雅也
森田雅也(弁護士)
弁護士法人法律事務所オーセンス 弁護士(東京弁護士会所属)。
上智大学法科大学院卒業後、中央総合法律事務所を経て、弁護士法人法律事務所オーセンスに入所。入所後は不動産法務部門の立ち上げに尽力し、不動産オーナーの弁護士として、主に様々な不動産問題を取り扱い、年間解決実績1,500件超と業界トップクラスの実績を残す。不動産業界の顧問も多く抱えている。一方、近年では不動産と関係が強い相続部門を立ち上げ、年1,000件を超える相続問題を取り扱い、多数のトラブル事案を解決。 不動産×相続という多面的法律視点で、相続・遺言セミナー、執筆活動なども多数行っている。
[著書]「自分でできる家賃滞納対策 自主管理型一般家主の賃貸経営バイブル」(中央経済社)。
[担当]契約書作成
森田雅也は個人間直接売買において契約書の作成を行います。