床の傾きから建物の傾きを調べる方法

床

前回は、建物の傾き発見のポイントのうち、①建具(ドア、サッシなど)の開閉について記載させていただきました。 今回は、もう一つの②床の傾きについて、記載致します。

② 床の傾き

床の傾きは、水平器(水準器、レーザーとも言われます。)やオートレーザーで測定します。 水平器は、液体中にある気泡でもって、床や柱の水平や垂直を測る器具です。比較的安価で簡単なものがホームセンターで売られていますが、それで計測しても、その水平器の長さが300mm程しかないため、あくまで、その範囲内のみ、水平・垂直が測れるということで、やはり、最低でも600mm位ある水平器で、しかもデジタル表示があるものが便利です。 もう一方のオートレーザーについては、購入するのに比較的高価な専門器具ですし、性能や使いやすさ、値段にもばらつきがありますので、床の傾きを調べる際には、やはり、専門家にご依頼されるとよいと思います。

それでは、実際計測してみて、その傾きが6/1000を超える場合(例えば3m(3000mm)につき18mmを超える場合)には、何かしらの原因が生じている可能性があると疑った方がよろしいかと思います。

6/1000超えていたケースとしましては、配管を通すために基礎を一部破壊して、耐震性に疑義が生じていたり、地盤がその部分のみ沈下していたりとかで、建物に歪みが生じている場合があります。

地盤については、また別の機会に記載させていただきますが、特に盛土をした場合には、しっかり固められていなかったりして、もともとの地盤との固さの違いで、その中で柔らかい部分のみ傾いてしまうということもよくあります。また、年月を経て徐々に沈下することもあります。なので、10年位経った建物で水平・垂直を保っている建物の方が寧ろ安心と言われることもあります。それは、その建物が建てられるときに、そもそも地盤が固いということ、または、地盤をしっかり改良している等の施工を施している建物であるということを、今存在している建物が主張しているとも言えます。

そういった原因を発見する基準として6/1000ですが、その6/1000を超えているから、必ずそのような事象が生じているかと言われれば、使用頻度(よく歩く場所でそこだけへこんでしまっている、とか、重いもの(本棚等)がその場所だけ集中している)等で傾いてきたりします。そのような場合には、建具のたわみなども考えられますので、6/1000を超えている場合でも必ずしも劣化している状況と言えない場合もあります。

しかし、前述しましたように、基礎の欠損等が考えられますので、専門家(住宅診断士など)へのご依頼をお勧めします。場合によりましては、破壊検査(壁をはつって、土台、筋交、金具等の状況を確認、その後復旧するまで)をしないと分からない場合もありますので、その場合には、ご予算等ご相談いただければと思います。

まとめ

今回は、建物の傾き発見のポイントとして、床の傾きについて、記載させていただきました。床が傾くと建物が傾き、建物のずれを生じさせ、雨漏り、水漏れ等の原因になりますので、投資物件をご購入または売却される際には、このようなことも検討されるとよろしいかと思います。 次回は、建物の外装について、住宅診断の観点からお伝えさせていただきます。 引き続きどうぞ宜しくお願いいたします。

この記事のコラムニスト

皆川聡
皆川聡(不動産鑑定士)
株式会社あおい不動産コンサルティング。大手不動産鑑定会社、株式会社三友システムアプレイザルに従事し、その後独立。
不動産鑑定業務が主ですが、住宅診断(ホームインスペクション)も対応しております。財務諸表・会社法・税務等についても、スキームに応じた鑑定評価の立ち位置を認識しております。相続・事業承継関係等にも勿論対応させて頂きます。
賃料の評価・査定につきましても、数多くの案件を携わっており、得意にしております。
[担当]物件調査
皆川聡は個人間直接売買において物件調査により権利関係の確認をします。