壁紙の張り方 ☆柄物、アクセントクロスにチャレンジ☆
内村恵梨
2019/01/30
前回は梁や天井など応用部分の張り方についてお話しました。今回は「壁紙張り替えの巻」最終回として、空間に彩を与えるアクセントクロスや柄物クロスの貼り方について触れていきたいと思います!
柄物クロス、どうやって柄合わせしてるの?
(写真①柄合わせをしているところ)
ネットショップで壁紙を探してみると、様々な種類・色・柄があることに驚かされます。 鮮やかなブルーやイエローの壁紙、レンガ調やキャラクターものの壁紙など、そんなクロスを見ていると「こんなの貼ってみたい!!」と妄想は広がるばかり。
でも実際に貼るとなると、値段や施工のしやすさ、インテリアと合わせなどいろいろ考えると、やっぱりベーシックなものを選んでしまいがちです。
でも、クロスは部屋の中で大部分の面積を占めています。そこに自分の好きな色やお気に入りの柄があると、気分も上がりますよね。
そもそも柄物って、そんなにチャレンジしにくいものなのでしょうか?
柄物クロスと無地クロスの張り替え作業での大きな違いは、「柄合わせ」が必要ということです。
どんな風に柄を合わせているかというと、意外とアナログで「パラパラ漫画」のように柄の残像で合わせているのです。私も実際に柄合わせをしたことがありますが、意外と人間の目は正確なんだなと驚きました。
初めは少し難しく感じますが、柄が少しずれても、自宅であればご愛敬。貼った本人は気になりますが、見る人はほとんど気になりません。
施工の仕方の違いはある?
(写真②入り隅説明)
こうして柄合わせをすることから、クロスの境目の張り方は、以前壁紙の基礎編でお話した施工方法の、「相裁ち」(重ね切り)という方法で施工をします。無地クロスでできる「突きつけ」はできません。
また、部屋の入隅(いりずみ)部分の施工も異なってきます。
無地クロスの場合は、入隅でいったんクロスを切り落とすことができますが、柄合わせが必要な場合は隅では合わせられないため、入隅を巻き込む形で施工します。
材料準備の際に注意すること
(写真③柄リピート)
また、材料を準備するときにも無地クロスとは違う注意点があります。
それは、柄の「リピート」分を加えて材料を用意する必要があるということです。
そのため柄物のクロスは、購入の際に必ず「リピート」が何㎝なのか確認が必須です。「リピート」とは、同じ柄が何㎝ごとに印刷されているかということです。
例えば、縦リピートが30㎝だとすると、とった壁の寸法に30㎝を足して材料を用意する必要があります。
リピートの間隔が長いと、その分多めに材料を用意しないといけないということなので、材料費にも大きく影響がでてきます。
アクセントクロスとは?
(写真④アクセントクロス)
こうした柄物や色物のクロスは、部屋全体を柄物にするのではなく、実は部屋の一面だけに貼ってアクセントにするのがおすすめです。全面カラーや柄にしてみると、落ち着かないという人も多いのです。
また、白やベージュ系は部屋を広く見せる効果があるので、こうした無地のクロスの特性を活かして部屋は広く見せつつ、アクセントで雰囲気を変える、というのが日本の家には合っているかと思います。
では、部屋のどの面にアクセントクロスを入れると効果的なのか?
基本的な考え方は、入り口から入った時に目につく壁を柄物のクロスにしてアクセントにするということ。
入ってすぐに目に入る正面の壁にアクセントクロスがあると、部屋の第一印象が変わって効果的なのです。
もし賃貸住宅の大家さんなどであれば、お客さまが内見に来た際に、どこが最初に目に入るか、と考えるといいでしょう。
また、天井をは高く見せたいということで白系が選ばれるのですが、寝室などであれば、、ブラウンやグレーなどのクロスにすると、落ち着いた空間を演出することができます。
アクセントクロスの色の選び方
(写真⑤ アクセントクロスの色の効果)
アクセントクロスは生活空間に色を加えるので、どんな色を選ぶかによって部屋の雰囲気を大きく変え、また気持ちにも影響を与えます。
色を選ぶ際の参考として、それぞれの色の効果は次のようになります。
赤・・・意欲的、活動的、あたたかさ
青・・・鎮静、集中力を高める
緑・・・リラックス、自然、若さ
黄・・・希望、知性の刺激
オレンジ・・・楽しい気分、食欲がわく
ピンク・・・幸せ、思いやり、若さ
ブラウン・・・自然、安心
キッチンや日当たりの悪い部屋に取り入れるならオレンジなどの暖色系、勉強や仕事をするならブルー系、など、部屋の用途に合わせて色を考えてみてはいかがでしょうか。
トイレにアクセントクロスを取り入れたい場合
(写真⑥トイレのアクセントクロス)
トイレにアクセントクロスを入れる場合も、部屋の考え方と同じで、入ってすぐ目に入る正面の壁に取り入れると、雰囲気を変えるのに効果的です。ただし、トイレは狭い空間なので、柄物を選ぶ場合、あまり大きな柄は圧迫感を与えてしまうので注意です。
入って正面の壁がトイレの便器の後ろの壁であることが多いので、そこにアクセントクロスをいれることが多いですが、施工がしにくいという難点があります。
トイレと壁との間に十分な隙間がある場合は、そこに壁紙を通して貼りますが、隙間がほとんどない場合は、エアコンの周りを貼るときのように、切込みを入れてトイレの裏に少し差し込むような形で貼っていきます。
いかがでしたか? せっかくクロスの張り替えをするなら、オシャレな柄や明るいカラーのクロスで、お部屋の印象をガラッと変えてみてはどうでしょうか。
壁の一面だけ少し遊びを加えてみるアクセントクロス、ぜひ試してみてくださいね。
以上で全7回「セルフリノベーション 壁紙張り換えの巻」完結です。
リフォームの中でもDIYでチャレンジしやすいクロスの張り替えについてお話してきました。
お部屋の模様替えをと一緒に、壁紙も自分で貼り換えられたら、お部屋により愛着がわくこと間違いなしですね。
この記事を書いた人
匠アカデミージャパン 事務局長 (運営:株式会社イマジンネクスト)
匠アカデミージャパンは2016年に開校した内装リノベーションのスクール。 単にDIYのノウハウを教えるスクールではなく「人生100年時代の大人の学び直し」の場として、副業やセカンドキャリア、定年後の生き生きとしたライフスタイルに生かせる技術を身につけることを提唱している。 講習内容は、クロスや床材の張り替えや、賃貸住宅大家さん向けワンルームの原状回復コースなど、まったくの経験のない方に対してDIYを超えた職人の技を伝授。照明プランニングや内装コーディネートのセミナーなども開催中。 http://www.takumi-ac.jp/