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不動産投資と利回り

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知っておきたい「利回り」の仕組み

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不動産投資を行う場合は、当然ながら利回りが重要になります。普通の利回りは5〜6%と言われているので、これを上回る利回りが得られる物件であればすぐにも購入したくなるでしょう。しかし、利回りの仕組みを知っておかなければ、後で「話が違う!」ということにもなりかねません。ここでは利回りの基本をご紹介します。

表面利回りと実質利回り

不動産販売会社で「こちらの物件は中古マンションですが、利回りが10%になります。なかなかこれほどの物件はありませんよ」と言われたとしたら、心が動いてしまうかもしれませんね。こんな好条件の物件は滅多にありません。しかし、そんなラッキーがあなたにだけ訪れる可能性がどれだけあるでしょうか? こんな「おいしい話」を持ちかけられたら、まずは「何かあるのかも」と考えてみることが重要です。

不動産販売会社が嘘を言っている、ということではありません。実は、利回りには「表面利回り(グロス)」と「実質利回り(ネット)」の2種類があります。これを明示しないで「利回り」とだけ言っている時は、実際には「表面利回り」のことを言っている場合が多いのです。

【表面利回り】
年間家賃収入÷物件価格×100
【実質利回り】
(年間家賃収入−管理費・修繕積立金等)÷(物件価格+購入時の諸経費)×100

簡単に言えば、表面利回りとは家賃収入から経費を差し引かずに計算したものです。実際にかかる経費を計算に入れていないわけですから、当然利回りは良くなりますが、物件を検討する際にはそのまま用いるわけにはいかない数値になります。これに対し、実質利回りは管理費や修繕積立金といったランニングコストを差し引いた後に計算したものですので、実用性の高い利回りだと言えます。

ただし、一つ注意点があります。実質利回りも「現時点における瞬間的な利回り」を示しているに過ぎません。つまり、将来にわたって保証されている数値ではないということです(だから不動産業者が広告を打つときは表面利回りを用いるのが普通なのです)。家賃下落、空室の影響などで利回りが下がることもあります。その意味では、利回りは物件選びの絶対的な基準ではないとも言えるでしょう。あくまで参考にする数値の一つということですね。

不動産投資には「休み」も必要

利回りは参考値の一つではありますが、必ず考慮すべき数値でもあります。例えば物件の価格が上昇してくると、「不動産価格が回復しているのだから景気が良くなってきたんだな」と考え、我先にと買いに走る傾向があります。しかし実際には物件価格が上昇すれば利回りは低くなるのです。利回りなどの数値をしっかり見て、利益に見合わないのであれば手を休めることも必要です。

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