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危険ドラッグ(違法ドラッグ・脱法ドラッグ)の賃貸における法律・条例とは

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最近、新聞などを賑わしている「危険ドラッグ」(違法ドラッグ・脱法ドラッグ)。ともすると見落としがちですが「賃貸住宅」にも係る話です。大家さんにとって、賃貸住宅を利用して「危険ドラッグ」の販売等をされたり、その住宅で「危険ドラッグ」の製造をされたりした場合、現行の「賃貸契約書」でどこまで対応する事が出来るのか?

 

不動産業界や行政の対応は、どこまで行っているのかは、大家さんのみならずとも気になるところでしょう。その辺りの話を、順を追って話していきたいと思います。

 

【現在の賃貸契約書等での対応は?】

 

1 居住用の賃貸契約書の場合

 

居住用の賃貸住宅で、危険ドラッグ(違法ドラッグ・脱法ドラッグ)の販売等を行っている様な場合は、法律に抵触するような「品物」を取り扱っている事と、賃貸契約上の用途の違反。つまり、居住用の建物で販売を目的とした店舗のような利用をしている事が契約違反になります。

 

この為、賃貸住宅で「危険ドラッグ」の販売等を行う事は、一般的な賃貸住宅の契約書式でも解約事由に該当し、契約解除が出来ると思います。ただ、あくまでも解釈で行うものですし、契約解除を催告などの手続きなしで行えるわけではありません。

 

催告などの手続きをも省略して、解除にする為には「危険ドラッグ」を想定した「特約や条文」を契約当初から「賃貸契約書」に載せておく必要があるでしょう。

 

2 事業用の賃貸契約の場合(店舗・事務所など)

 

事業用の賃貸借契約の場合には、営業目的以外に利用する利用を「契約解除」の対象にしている契約書がほとんどの様です。ましてや「危険ドラッグ」の販売などの目的であれば尚更です。現行の賃貸契約でも、十分に解除事由に該当しますので、解除が出来ると思います。

 

居住用の契約解除と同じように「無催告での解除」とするには「特約や条文」などで、契約当初から書面に記載して置く事が望ましいでしょう。

 

尚、「危険ドラッグ」(違法ドラッグ・脱法ドラッグ)は通称です。契約書などに記載する際には「薬事法」などを引用して、表記する必要があるでしょう。

 

※ 薬事法 第2条 第14項に「指定薬物」として現在取締りなどの根拠とされている条文があります。

 

法令上でも定義・規定があいまいな物ですので、特約などの文章にもうまく盛り込む必要があります。

 

【現在の行政や不動産業界の動向】

 

現在、毎日のように「危険ドラッグ」に関連する事件・事故の報道があります。販売店などが摘発を受けるニュースも、頻繁に放送されています。大家さん側も、事が事だけに他人事ではいられませんし、大事になる前に出来る対処をすべきタイミングでしょう。

 

国内の都道府県の行政や警察、不動産業界でも徐々に「危険ドラッグ」を排除する方向で動き始めています。

 

静岡県では、今年の8月に「静岡県宅地建物取引業協会・静岡県・静岡県警」が連携をして賃貸借契約書の禁止事項に「危険ドラッグの販売店と判明した場合には、契約を解除できる条項」を盛り込む協定を締結しています。

 

また、鳥取県では「危険ドラッグを規制対象にする県条例を改正する準備」を進めています。以上のように、全国的に広がっていくのは時間の問題です。現段階では、早い着手が望める「都道府県の条例」が主な動きですが、「国」もただ手をこまねいているわけではありません。最終的には「反社会勢力の排除条例」の様に進めていくと思われます。

 

流れ的には、事件・事故の顛末も酷過ぎるので、早い段階で整備されていくと思われます。賃貸経営をされている大家さん方も、早い段階から「対策」を講じて頂きたいと思います。

 

【特約や条文を追加する上での注意】

 

こうなってくると「危険ドラッグ」に関する事、全てを規制してしまいたい気持ちになるでしょうが、それも危険です。日本には、法律で「犯罪者らしき者」であっても住居にすむ権利を侵害する事はできません。

 

ちょっと大げさな言い方になってしまいましたが、規制の仕方が難しい側面もあります。間違えると、反対に「訴訟」となる事さえあるのです。ですので、必要以上に、法律の許容範囲を超えた規制文書は、自分に害を及ぼす可能性があります。

 

特約などの文章を掲載する場合、やはり専門家に相談をしてください。不動産業界内でも、弁護士を交えて内容を吟味した文例を用意し始めています。注意をして取り組んでください。

 

不動産経営に関してはもはや不動産会社さんにおまかせということでは成り立たなくなりつつあります。

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この記事を書いた人

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