古民家の再生は地域活性化の起爆剤に(1/2ページ)
川久保文佳
2020/02/23
刻まれた歴史といまを融合させた古民家を再生
増える空き家・古民家を再生し、どう活用するかをテーマにした「古民家価値化のシンポジウム」が2月5日に衆議院第一議員会館大会議室にて開催されました。約300人を収容できる会場は、ほぼ満席になり、空き家や古民家、その再生と活用法に対する関心が高さがうかがえるシンポジウムでした。
「空き家や古民家の価値化」といっても単なるリノベーションだけで、建物の価値を高めるというのではなく、講演者やパネラーのお話では、そこに利活用できるためのものを付加するという事が大切だということが共通したものでした。
その1つが澤山乃莉子氏のキュレーション理論についての講演です。
イギリス・ロンドンで歴史的修復案件を多く手掛け実績を重ねてきた澤山氏のお話では、スライドでの写真を交えながらキュレーション(目利き)による伝統デザインのどのように活かすかというもので、古民家を再生する技や日本の伝統デザインなどが活用された古民家再生の実例は興味深いものばかりでした。
例えば、熱海の古民家を改築し、キュレーションを加えて再生を行っているものが紹介され、すでに2例目が完成し、3例目に着手するところだということです。現地見学会も定期的に行われているということでした。
また、古民家鑑定士等の資格を世に広げながら古民家を次世代へ残していく活動をしている一般社団法人古民家再生協会東京代表の杉本龍一氏のお話は、古民家の耐震性能等の基準を整備し、評価して、安心して利活用できるようにすることが大切さが重要で、協会の基準値をクリアした安心を提供することで、古民家カフェなどの運営へ繋がっているとのこと。
また、空き家の活用としては、身近な例として民泊を取り上げて、収益を上げられるような「空き家」を提案することが、空き家を放置せずに価値化していく一助になることなどもお話ししました。
それらが、上手に伝わったということは、シンポジウム後のアンケートからわかります。というのも、非常に有意義なシンポジウムだったという意見をたくさん寄せられたからです。
また、壊れてしまうと再現性がなくなってしまう日本の文化的資産である古民家を残し、さらに価値化についてしていこうという取り組みに共感をした方も多かったようです。
この記事を書いた人
一般社団法人空家空室対策推進協会代表理事/株式会社エアロスペース CEO/ビーモア株式会社代表取締役タナメラジャパン(マレーシアスパコスメ)代表/jasmin(全国民泊同業組合連合会)理事
一般社団法人空家空室対策推進協会代表理事/株式会社エアロスペース CEO/ビーモア株式会社代表取締役タナメラジャパン(マレーシアスパコスメ)代表/jasmin(全国民泊同業組合連合会)理事 北海道函館市生まれ。現在の札幌国際大学 卒業後、リクルート住宅情報事業部にてライターを務めた後、IT企業を経て不動産関連事業へ転身。その一方で、化粧品とサプリメントのコンサルティングや専門家としてのアドバイザー務める。海外派遣先では、フィリピン・タイ・カンボジア・マレーシアなどで日本への輸出入をテーマにセミナーを行うなどマルチに活動している。