余裕資金で始めて、慣れない「値動き」に慌てないこと(1/3ページ)
ウチコミ!タイムズ編集部
2019/08/27
賃貸オーナーさんは、よく投資家ともいわれますが、本当は投資家である要素は非常に薄いのかもしれません。それよりは、アパート・マンション(ときには一戸建て)というレンタル商品を利用した、サービス業の経営者という方がピッタリです。
そのことは、物件運営を管理会社に任せる場合であっても、何ら変わりません。管理会社に仕事を任せることは、投資ではなく、単なる業務委託です。オーナーがその物件の経営者である前提にまったく変わりはないのです。
その意味で、管理会社というのは、オーナーにとってはいわば下請け業務の発注先にすぎません。
そう考えると、顧客サービスの死命を制する位置にいる大事な下請け先をオーナー自身が選ぶことのできない多くのサブリース契約は、「35年安心」どころか、実は大変スリリングな冒険であることがよくわかります。
さて、そんなオーナーさんも、最近は「老後2000万円報告書問題」報道が飛び交うなどしたこともあって、賃貸以外にも、将来のため何か投資をとお考えになることもあるかと思います。
そこで、まず2つの基本的な注意点をお伝えしたいと思います。
1. 値動きに慌てないこと
賃貸住宅への投資(ここではあえて投資といいます)では、値動きに慌てさせられるということが基本としてありません。
退去者が出て、次の入居者さんを募集する際に、以前の家賃では募集が難しくなっていた、あるいは、サブリース会社から家賃引き下げの申し入れがあったなどしたとき、やっとそれに気がつく程度です。
もっとも、物件そのものの価格自体は、市場の動向に合わせてつねに動いてはいます。ですが、その最終結果は、物件を手放すことを決めたのち、買い手が決まる段階を迎えるまで、結局のところわかりません。
そうした理由もあってか、オーナーさんが初めて金融商品などを買い、投資をすると、不慣れな「値動き」というものについつい翻弄されがちです。
焦って狼狽売りをしたり、高値づかみをしてしまったり、あるいは損切りのタイミングを逃したりと、慌てた判断を下してしまうことがよくありますので、ぜひ気をつけてください。
なお、以上の「値動きに敏感であっても翻弄されるな」は、株、外貨、投資信託、外貨建MMF、REIT、金地金等々、あらゆる投資先にいえることです。
この記事を書いた人
賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン『ウチコミ!タイムズ』では住まいに関する素朴な疑問点や問題点、賃貸経営お役立ち情報や不動産市況、業界情報などを発信。さらには土地や空間にまつわるアカデミックなコンテンツも。また、エンタメ、カルチャー、グルメ、ライフスタイル情報も紹介していきます。