ウチコミ!タイムズ

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン

「大家が変われば、街が変わる」――コミュニティの形成を重視した大家の会(1/2ページ)

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

大家が建てる建物で街は変わる、と考える加藤至貴氏。「東海大家の会」代表である。入居者と大家、入居者同士のコミュニティを形成することで、目に見えない価値が物件に生まれるという。価値のある建物を増やし、街さえも変えていきたいと考える加藤オーナーは、どのような思いで賃貸経営を行い、東海大家の会を運営しているのか聞いた。(聞き手/尾崎 光 文/向園 智子)

――賃貸経営を始めたきっかけを教えてください。

24歳のときに加藤家の不動産賃貸業を伯父から相続しました。本当は父が相続するはずだったのですが、相続のタイミングで父が脳梗塞を発症してしまい、自分が相続することになったんです。そして、不動産賃貸業としての私の最初の仕事は、連帯債務者の書類にサインをすることでした。実は、伯父は4億円の資産を持っていた一方で、加藤家の物件をすべて担保に入れていて、借金も5億円くらいあったのです。そのときの、入居率も40%程度しかありませんでした。

そんななかスタートした賃貸経営でしたが、大家業も何も分からなかったので、まずは状況把握することから始めました。契約書すら残っていない入居者さんもいたので、入居者さんのところへ直接訪ねていき、「敷金はいくら払いましたか」「家族構成はどうなっていますか」「連絡先を教えてください」などと一から聞いて回りました。そのおかげで、入居者さんの状況も把握することができ、仲良くさせてもらえるようになりました。その後、自分が心掛けている“入居者に寄り添った賃貸経営”によって、入居率90%を維持することができています。


加藤 至貴(かとう のりたか)/東海大家の会代表、有限会社貴藤代表取締役、株式会社Lino取締役、株式会社Abobe取締役。「絶対に損をさせない経費削減コンサルタント」有限責任事業組合Bauhausu運営。24歳のとき、伯父の不動産と負債を2次相続して不動産賃貸業を始める。賃貸物件は入居率90%を維持。現在、戸建て、RCマンション、アパート、テナントビル、工場を所有している。

――「東海大家の会」はどのような活動をしているのですか。

大家業をしている方やこれから大家をやってみたい方にとって、身近に相談ができる人が少ないという問題があると思います。自分も最初の頃は情報収集に大変苦労しました。大家業自体、年配の方が営んでいるケースが多かったり、聞きづらかったり、恥ずかしかったり…、いろいろな葛藤を持ちながら運営してきた思いがあります。

そこで東海大家の会では、そんな大家さんのための交流会や情報交換の場をつくっています。フランクに付き合えて情報をシェアし合える、そのような仲間作りの場所にしてほしいと思っています。また、日々変わりゆくなかでクリエイティブな新しい発想を賃貸経営に活かしていけるような環境作りをしていきたいと考えています。

東海大家の会ですので、愛知、三重、岐阜、静岡など東海地区の方が中心となっています。基本はメールマガジンの配信をさせていただく無料会員です。また、1カ月3000円の有料会員もあります。こちらは、人生を豊かにするための過ごし方などをブログで配信し、賃貸経営以外のコンサルティングやアドバイスなども行っています。東海地方の大家さんや、これから大家さんを目指していきたい方で、興味のある方はぜひ遊びに来てください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

この記事を書いた人

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン『ウチコミ!タイムズ』では住まいに関する素朴な疑問点や問題点、賃貸経営お役立ち情報や不動産市況、業界情報などを発信。さらには土地や空間にまつわるアカデミックなコンテンツも。また、エンタメ、カルチャー、グルメ、ライフスタイル情報も紹介していきます。

ページのトップへ

ウチコミ!