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鉄骨造

鉄骨造は〝鉄〟ではない?
賃貸情報を見ているとRC造、SRC造、S造などと記されていることがあります。これらはそれぞれRC造=鉄筋コンクリート造、SRC造=鉄筋鉄骨コンクリート造、S造=鉄骨造のことを指しています。
S造=鉄骨造は、柱や梁などに鉄骨を使用した構造のこと。Sとはsteel(鉄)の略です。骨組みが鉄になった建物をイメージすればわかりやすいかもしれません。ただし、最近では鋼材(炭素鋼や合金鋼から造られた鉄鋼材)を使用することがほとんどとなっています。そのため最近では「鋼構造」と呼ばれることもあります。
重量鉄骨造と軽量鉄骨造
鉄骨造には重量鉄骨造と軽量鉄骨造の2種類があります。鋼材の厚みが6mm以上のものが重量鉄骨造、6mm未満のものを軽量鉄骨造と呼びます。重量鉄骨造は主にビルや高層マンションなど、軽量鉄骨造は小規模な店舗や一般住宅などで使われています。また、重量鉄骨造は主としてラーメン構造かトラス構造、軽量鉄骨造はブレース構造に用いられます。
ラーメン構造・トラス構造・ブレース構造
鉄骨造で一般的に多いのは重量鉄骨造のラーメン構造だと言われています。料理のラーメンのように細い鉄骨がたくさん並んでいる構造を連想するかもしれませんが、ラーメンとはドイツ語で「枠」の意味。柱と梁が剛接合している構造のことで、強度が高いため筋交いは不要です。鉄骨の構造を抜き出すとジャングルジムのように鉄骨が組み合わさっており、「枠」が部屋ごとに並んでいる構造になっています。
トラス構造とは、複数の三角形によって構成される構造のことです。橋やタワー、オートバイや自転車のフレームもトラス構造になっています。有名なところでは、東京タワーやスカイツリーにもトラス構造が使われています。大規模な建物の場合は鋼材が使われるのが一般的ですが、木材で造られることもあります。例えば屋根の小屋組みや大きな梁を支えるために使われます。
ブレース構造は柱、梁、筋交いを利用した鉄骨造です(braceとは筋交いを意味する英語)。主に軽量鉄骨造で用いられ、木造の在来工法と共通した構造になっています。耐震改修では中高層建築物の壁に鉄骨ブレースを設けることもあります。筋交いによって耐震性を高めており、低層住宅に向いていると言われています。一般の鉄骨造より軽量なため、杭や基礎工事などのコストが低減できるメリットもあります。また、構造部材が室内に突き出さないため、コーナーや天井がすっきりします。