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専有部分

専有部分は区分所有者の持ち物
分譲マンションは共用部分と専有部分から成っています。これからマンションに住もうという人は、その区別にちょっと戸惑うかも知れません。
専有部分とは、区分所有者が単独で所有している建物の部分のことです。生活している人の感覚としては、自分の生活スペースはすべて自分のものとして認識されるかも知れません。確かに各部屋は個人の持ち物なのですが、専有部分として考えるとまったく違う風景が見えてきます。
まず室内に関しては、壁や天井、床に囲まれた居住空間が専有部分になります。厳密には、壁や天井、床を構成するコンクリートの表面から部屋側の空間。室内の壁に液晶テレビを取り付けたり、絵を飾ったりするのは自由なわけです。しかし、コンクリート部分そのものは共用部分なので、勝手に工事したりしてはいけません。極端な話、隣り合う2つの住戸を所有していたとしても、壁をくり抜いたりすることは御法度なのです。
ちょっと複雑な「専用使用部分」
注意すべきは、ベランダ、バルコニー、専用庭やアルコーブなどです。これらの場所は日常的に使用するので専有部分と勘違いしそうになりますが、共用部分です。ただし、特定の区分所有者だけが使える部分として「専用使用部分(専用部分)」とされています(専用部分は区分所有法ではなく、それぞれのマンションの管理規約で定められています)。
専用部分は普段使用している区分所有者が手入れを行いますが、管理組合の許可なくリフォームしたり、撤去することはできません。修繕については管理組合が行います。ただし、マンション標準管理規約によれば通常の使用で生じた補修については区分所有者の負担となります(例えば古くなった網戸の交換など)。
「ベランダやバルコニーは部屋の一部みたいな感じなのに、どうして専有部分ではないの?」と疑問に思われるかもしれませんが、ベランダやバルコニーはマンションの構造体の一部ですし、災害時などには避難経路にもなるわけです。非常時に期待される使い方ができないと困るので、許可なくタイルを敷いたり、物置を置いたりすると管理規約違反になる場合があります。
また、窓や玄関ドア、サッシは共有部分です。勝手に取り外したり、異なるデザインのものに取り替えたりしてはいけません。
もっとも「壁や柱などで四方を囲まれた内側の部分」は住居内と見なされますので、ドアの住居側の表面は専有部分となっています。ただし、鍵は区分所有者の所有物となります。