共益費

管理費とほぼ同義: 賃貸の集合住宅などを利用する場合、家賃以外に毎月支払わねばならないものに「共益費」があります。共益費は共用部分の電気代や水道代、ゴミ置き場の清掃費、共用灯の保守費や交換代、エレベーターの電気代などを賄うためのものです。
共益費は管理費と呼ばれることもありますが、両者に明確な違いはありません。厳密には異なる定義があるのですが（「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」など）、実際には不動産会社やオーナーが独自に使い分けているのが現状です。したがって賃貸物件を探すときは共益費＝管理費と考えて差し支えないでしょう。ちなみに共益費と管理費を同時に徴収されることはほぼないので、もし両方を要求された場合は内容を確認した方が良いでしょう。
共益費がない物件がある？: 賃貸物件の情報を見ていると、共益費や管理費がない物件があります。「これはお得だ」と思ったり、あるいは「ちゃんと管理されているの？」などと心配になったりするかもしれませんが、共益費や管理費に当たる費用が発生しない物件はありません。共益費等が明示されていない物件は家賃に含まれているのです。
では、なぜ共益費や管理費が家賃と別になっている物件が多いのか。1つには「家賃が安く見える」というメリットがあります。例えば「家賃50,000円（共益費込み）」の物件と「家賃45,000円＋共益費5,000円」の物件であれば、家賃45,000円の方が割安な印象を受けます。また、「4万円台の家賃」で検索をかけると、総額は同じであるにもかかわらず家賃45,000円の物件でなければヒットしません。つまり家賃が安い方が入居者の目に止まりやすくなります。
共益費を分離すると入居者側にもメリットがあります。敷金・礼金、仲介手数料、更新料は家賃を基準に算出されるからです。特に初期費用が安くなることは入居者にとって恩恵でしょう。オーナー側としても入居者を確保しやすくなります。
ただし、入居者としては家賃よりも毎月支払う総額に注意した方が良いでしょう。共益費は家賃と比べると少額ですので、初期費用が安くても実際の生活に影響してくるのは総額の方だからです。
フリーレントやシェアハウスでも…: フリーレントは入居後しばらくは家賃が発生しないことが売りですが、特別な取り決めがないかぎり共益費・管理費は支払わなければなりません。シェアハウスの場合も同様ですが、シェアハウスでは一般的な賃貸物件に比べると共用部分が多いので、共益費が割高になったりする場合があります。
（参考：Webサイト「ニフティ不動産」共益費・管理費って何？）