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アウトフレーム工法

マンションの構造の分類法
近年ではマンションの構造をチェックしてから購入する人が増えているそうです。大きな地震を経験したり、さらに以前には構造計算書偽造問題があったりしましたから、用心する人が増えたということでしょうか。
マンションの構造の分類方法としては、使用材料ごとに分類する方法と構造材の組み立て方で分類する方法があります。〈使用材料ごとの分類〉
  • RC造…鉄筋コンクリート(Reinforced Concrete)で作られた構造。
  • S造…鉄骨(Steel)で作られた構造。
  • SRC造…鉄骨鉄筋(Steel Reinforced Concrete)で作られた構造。
〈構造材の組み立て方による分類〉
  • ラーメン構造…柱と梁で作られた構造。耐力壁や筋交いを入れなくても耐震性を確保できる。ラーメンとはドイツ語で「額縁」「枠」を意味する。間取りが比較的自由でリフォームもしやすい。
  • 壁式構造…壁で建物を支える構造。比較的低層のマンションで多く見られる。大きな開口部を設けることが難しいなど制限があるが、柱や梁がないため室内に凹凸がなくなる。
ラーメン構造は高層の建物でも使えるのですが、柱や梁が室内に出っ張り、室内にいる人間が圧迫感を感じたり、家具の配置に制限ができる場合があります。この弱点を補ったのが「アウトフレーム工法(アウトポール)」です。
アウトフレーム工法のメリット・デメリット
アウトフレーム工法では、柱と梁を居住空間から外に出します。室内の出っ張りがなくなるので、部屋の四隅まで自由に使えるようになります。また、これまで天井部に配置されていた梁を床スラブの上に移動させる(ベランダの手摺り部分が梁になる)工法と組み合わせた「アウトフレーム逆梁工法」も普及しています。逆梁では梁がベランダ手摺りの下部に移動するので、ハイサッシを使えるというメリットもあります。
ただし、アウトフレーム工法、アウトフレーム逆梁工法にはデメリットもあります。アウトフレーム工法ではベランダ側に梁が出されるので、窓の高さはリビング等の天井高より低くなることがあります。アウトフレーム逆梁工法ではベランダの手摺りが分厚くなるため、ベランダの面積が小さくなったり、採光に影響することがあります。また、小さな子供が手摺りに登ると落下の危険があるので、対策が必要になります。
なお、物件によっては一部の部屋しかアウトフレーム工法になっていないものがあります。アウトフレーム工法に注目する場合は共用廊下側の部屋までしっかり内見しましょう。