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確定申告に向けて年末までにできる対策(1/2ページ)

渡邊浩滋渡邊浩滋

2017/11/30

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いよいよ今年も残り僅かになってきました。 年が明けると、確定申告に取りかからなければならなくなります。 しかし、節税を考えると、年明けでは手遅れです。 12月末までの収入・経費を、年明けの確定申告で計算することになるため、税金対策は年内までに行わなければならないのです。 今回は、確定申告に向けた対策について解説していきます。

1.所得控除を使った節税策
(1)小規模企業共済に加入する
小規模企業共済とは、個人事業主の退職金制度です。掛金として積み立てた金額を将来共済金として受け取れます。掛け金は月7万円が限度(年84万円)。 その掛金を支払う場合、全額が所得控除になります。年払いも可能ですので、12月に84万円掛金を払って全額所得控除にすることも可能です。 事業的規模の大家さんが対象です。 ただし、サラリーマン大家さんは加入できないことになっておりますのでご注意ください。
(2)確定拠出年金を掛ける
確定拠出年金とは、ひと言でいうと、「年金の上乗せ」です。 掛金が全額所得控除になります。 運用益に税金がかからないため、効率よく年金資産を作ることができます。 ただし、下記のデメリットがあります。
口座開設手数料や口座管理手数料などの運用コストがかかる。
運用によっては、元本割れをする可能性がある。
60歳になるまで解約ができない。
なお、掛金の上限は、加入者の分類(個人事業主、会社員、主婦など)によって異なります。 小規模企業共済に加入できないサラリーマン大家さんも対象になるため、節税策としては、有効です。

(3)ふるさと納税を活用する
ふるさと納税とは、都道府県や市区町村などの自治体に 2,000円を超える寄付金を行うことで、2,000円を超え一定限度額までの金額が、所得税・住民税から還付・減額される制度です。 国などに税金を払うか、自分が選択した自治体に寄付するのかの違いであり、お金が出て行くのには変わりありません。 厳密には節税にはなっていませんが、自治体により、寄付金のお礼として特産品などが送られてくるため、人気を集めています。 複数の自治体へ寄付できるので、実質 2,000円の自己負担で、いくつもの返礼品を受け取ることができます。 限度額が、住民税のおよそ2割ですが、今年の所得によって計算される住民税が対象になりますのでご注意ください。
2.経費を使った節税策
今後融資を受けようとする方は、経費を多く使って節税をすると、賃貸経営で儲かっていないというように見られてしまうことがあり、積極的におすすめしません。

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この記事を書いた人

司法書士・税理士

渡邊浩滋総合事務所。大家さん専門税理士・司法書士。渡邊浩滋総合事務所代表。「行動する大家さんの会(AOA)」発起人。 大学在学中に司法書士試験に合格。大学卒業後総合商社に入社。法務部として契約管理、担保管理、債権回収などを担当。退職後、税理士試験に合格。実家のアパート経営(アパート5棟、全86室)が危機的状況であることが発覚し、経営を立て直すために自ら経営を引き継ぎ、危機的状況から脱出。資産税専門の税理士法人に勤務後、2011年12月独立開業。税理士の視点と大家の視点からアパート経営を支援するために活動中。従来のような確定申告書だけ作成する税理士ではなく、経営・財政・税金の観点から提案をする不動産専門の税理士・司法書士です。 [著書]「税理士が教える節税Q&A」(TAC出版刊)、「大家さんのための超簡単!青色申告」(クリエイティブ ワークステーション)他。 [担当]不動産登記 渡邊浩滋は個人間直接売買において決済完了後に登記手続きを行います。

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