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不動産投資におけるトランクルーム(1/2ページ)

森田雅也森田雅也

2019/04/12

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今回は、電車の広告や街で最近よく目にするトランクルームの看板や建物についてですが、トランクルームを投資物件とした場合のメリット、デメリットをご紹介いたします。

トランクルームとは、住居を提供するのではなく、空間(スペース)を貸し出し、物の保管などを賃貸借の目的とします。
このため、水道やガスなどの設備が必要なく初期費用がかなり抑えることができます。
トランクルームには大きく分けて『屋内型』と『屋外型』の二種類に分類することができます。

屋内型
屋内型のトランクルームは、建物の中をパーテーションなどで区切り、一部屋・一区間を利用者に貸し出します。
屋内型のトランクルームは、上述したように水道やガスなどの設備が不要なため投資物件さえあれば初期費用はかなり抑えることができます。
ただし、屋内型のトランクルームに賃借人が求める基準が徐々に高くなっており、オートロックなどのセキュリティーや冷暖房、エレベーターや駐車場完備など、荷物の保管・搬入がしやすい環境を作る必要があり近年では屋内型のほうが屋外型より初期費用がかさむということもあります。
屋外型
屋外型のトランクルームは、土地とコンテナがあれば始めることができます。コンテナも多種多様で10万円くらいから高いものだと100万円超えるものもあります。
あまりに安いコンテナを購入すると雨漏りや虫の侵入などで中の荷物がいたんでしまい賃借人から損害賠償をされてしまうなどの事態も考えられます。
また、屋外型は屋内型に比べコンテナを撤去するだけなので土地の転用がしやすいという利点もあります。

トランクルームのメリット

トランクルームの最大のメリットは初期費用がかなり安く高利回りということです。場合によっては、住居における賃貸借に比し、2倍から3倍になることもあります。
また、荷物の保管を用途としているため一度契約したら長期間の契約になることが多く、管理費用もほとんどかかりません。契約が終了してもリフォーム代は低額で済みます。
さらに、人の出入りも荷物搬入している時のみなので騒音や賃借人同士のトラブルもそうそう起きません。

トランクルームのデメリット

トランクルームの最大のデメリットは、軌道に乗るまでに時間がかかるという点にあります。一度、契約成立すれば長期化するとはいえ、荷物の保管を目的としているため賃料も高額にできないので多くの契約を成立させる必要があります。
そのため、どの場所にトランクルームを設置するのか立地が重要になってきます。

しかし、屋外型トランクルームの場合はどこにでも設置できるというわけではなく都市計画法の用途地域の制限にかかります。
具体的には、「第一種低層住居専用地域」、「第二種住居専用地域」、「第一種中高層住居専用地域」等にはコンテナを設置することができない場合があり、その場合には屋内型のトランクルームに限られます。

また、屋外型トランクルームの場合にはコンテナがむき出しになるので、盗難や災害による保管物の破損というリスクもあります。契約段階で責任を明記しないと後にトラブルの原因となるおそれがあります。

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この記事を書いた人

弁護士

弁護士法人Authense法律事務所 弁護士(東京弁護士会所属)。 上智大学法科大学院卒業後、中央総合法律事務所を経て、弁護士法人法律事務所オーセンスに入所。入所後は不動産法務部門の立ち上げに尽力し、不動産オーナーの弁護士として、主に様々な不動産問題を取り扱い、年間解決実績1,500件超と業界トップクラスの実績を残す。不動産業界の顧問も多く抱えている。一方、近年では不動産と関係が強い相続部門を立ち上げ、年1,000件を超える相続問題を取り扱い、多数のトラブル事案を解決。 不動産×相続という多面的法律視点で、相続・遺言セミナー、執筆活動なども多数行っている。 [著書]「自分でできる家賃滞納対策 自主管理型一般家主の賃貸経営バイブル」(中央経済社)。 [担当]契約書作成 森田雅也は個人間直接売買において契約書の作成を行います。

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