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AJPI

国内の実物不動産インデックス
(一社)不動産証券化協会(ARES)が公表しているインデックスをAJFI(不動産ファンドインデックス)と言い、不動産投資ファンドの平均的な収益動向を示す指数となっています。算定の対象となるファンドはJ-REITと私募REITを含む私募ファンドです。
一方、不動産投資の運用実績を示す「不動産投資インデックス」の1つに、AJPIがあります。ARES Japan Property Indexの略語で、国内不動産の収益性等を判断するときに使われています。
AJPIは元々ARES J-REIT Property Indexでしたが、私募・非上場不動産ファンドのデータを加えた統合インデックスとして、新たに不動産証券化協会が2012年から提供を開始したもの。実物不動産インデックスとも呼ばれます。AJFIも国内初のコアファンドインデックスとして提供が開始されました。
ちなみにコアファンド、コア型不動産ファンドとは、評価対象不動産を保有するファンドが主に投資不動産からの賃貸収益によって運営されているものです。安定性が重視され、比較的低リスクのファンドとされています。
AJPIは実物不動産の平均的収益率を反映する
AJPIは投資ファンドが保有する不動産の賃貸収益(インカムゲイン)と評価損益(キャピタルゲイン)とを加重平均(各変量の“重み”を加味した平均のこと)し、指数化する方法で算出され、毎月公表されます。
もう少しかみ砕いて解説すると、AJPIは 非上場・私募ファンドの運用会社からデータ提供されるコアファンドの保有不動産の運用実績(非公開データ)と、J-REIT の保有不動産の運用実績(公開データ)から得られるインカムゲインとキャピタルゲインを加重平均して指数化したものです。言い換えれば、AJPIは不動産ファンドが投資する実物不動産の平均的収益率を反映しています。
一方、AJFIはファンドの運用会社からデータ提供される非上場・私募ファンドの運用実績(非公開データ)と、J-REIT の運用実績(公開データ)から得られるファンドとしてのインカムゲインとキャピタルゲインを加重平均して指数化したもので、コアファンドの収益動向を示す指数となっています。
日本では不動産関連指数の多くは推計だった
AJPIもAJFIも、推計ではなく欧米で普及している運用実績に基づいた方式で算出されているのが特徴です。元々日本においては不動産ファンドの運用実績は利害関係者以外には開示されておらず、不動産関連指数の多くは推計によって算出されていました。しかし、J-REITによる開示の充実と、不動産投資顧問会社が運用実績データを提供する体制が構築されたことにより、不動産証券化協会は運用実績に基づく不動産投資インデックスを算出することができるようになりました。