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オープンエンド

「受益権の買い戻し」を要求できるかどうか
オープンエンドは投資信託の用語。オープンエンドとは、「受益権の買い戻し義務がある投資信託」のことです。契約型の投資信託のほぼすべてはオープンエンドとなっています。また、私募REITの多くもオープンエンドです。
受益権は信託法で次のように規定されています。

〈信託行為に基づいて受託者が受益者に負う債務であって信託財産に属する財産の引渡し、その他の信託財産に係る給付をすべきものに係る債権及びこれを確保するためにこの法律の規定に基づいて受益者その他の者に対し一定の行為を求めることができる権利をいう〉

信託行為には「信託契約」「遺言」「自己信託」の3種類があります。信託行為とはある目的のために財産を他人に託してその管理・運用を委託することです。一般的な投資信託では投資家(受益者)、信託銀行(受託者)、運用会社(委託者)の3者が登場しますが(投資信託は運用会社が作ります)、投資家には保持する信託財産から利益を受け取る権利、信託が終了したときには信託財産の償還を受ける権利などがあり、この権利を受益権と呼んでいます。オープンエンドにおいては、受益者はいつでも受託者に対して受益権の買い戻しを請求することができます。
ちなみに、受益権の買い戻し義務がない投資信託はクローズドエンドと呼ばれます。上場されているREIT、会社型の投資信託の多くはクローズドエンドです。
契約型の投資信託と会社型の投資信託
投資信託に興味がある人でも契約型と会社型を意識することはあまりないかもしれません。
契約型投資信託とは、先に述べたように投資家である受益者、信託された財産を管理・保管する受託者、信託された財産を運用する委託者が当事者となり、信託契約に基づいて設立されるものです。日本のほとんどの投資信託は契約型でオープンエンドとなっています。契約型では投信それ自体は法人格を持たないので、信託財産の名義は管理者である受託者のものとなるのが特徴です。また、契約型では受益証券(受益権を細分化したもの)が発行されていましたが、現在では電子的な帳簿に記録されるようになっています。
一方、会社型は厳密には投資信託ではない(信託の仕組みを利用しない)のですが、通例として投資信託の一種とされています。会社型では投資を目的とする株式会社を設立します。つまり会社型では法人格を持った投資会社が資産を運用するのです。投資家は会社が発行する株式(J-REITでは投資証券)を買い、株主となります。出資金は資本金となり、投資家は株主総会(J-REITでは投資主総会)で議決権を持ちます。会社型投資信託の多くはクローズドエンドになっています。