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インフラファンド

インフラに投資するREITのような金融商品
インフラファンドとは金融商品の一つで、英語ではInfrastructure fundと呼ばれます。インフラストラクチャー(インフラ、社会基盤施設、社会資本)を投資対象とした投資法人または投資信託がインフラファンドで、日本では2015年から取引所に上場することが認められました。
インフラファンドの構造はREIT(不動産投資信託)に似ていると言われます。長期的な収益が見通せる資産の裏付けで成り立つ金融商品であり、基本的な違いは投資対象をインフラにするか不動産にするかだけで、インフラファンドではインフラストラクチャーを保有、運用して得た収益を投資家に分配する仕組みとなっています。
代表例は大規模太陽光発電施設
投資対象となるインフラは限定されていませんが、大規模太陽光発電施設(メガソーラー、1MW以上の出力を持つ太陽光発電システム)には投資が集まり、7銘柄が上場しています。例えば最近では、2020年9月に東京インフラ・エネルギー投資法人が6箇所のメガソーラーを取得したことがニュースになりました。それまでは5サイト合計20MWだった資産に6サイトが加わったことで11サイト合計約46MWとなりました(1MWは一般家庭約200世帯が年間に消費する電力量に相当すると言われています)。資産運用は同社子会社の東京インフラ・アセットマネジメントが行います。REIT(投資法人)の運用会社が資産運用の委託を受けるのと同じですね。11月には、国内の太陽光発電施設インフラファンド上場7銘柄の合計が1000億円を超えました。新型コロナウイルスの感染拡大にも左右されない事業モデルが高評価され、ESG(環境・社会・企業統治)マネーも流入していると言われます。太陽光発電は再生エネルギーであり、二酸化炭素の排出が少ない「地球にやさしい」システムだからです。
メガソーラーには注意点も
ただし、メガソーラーには注意点もあります。まず、コスト重視のメーカーの参入。
地球環境に配慮せず、コスト節減のために有害物質を河川に流したりして「金は儲かるが環境は破壊する」となってはESG投資としては失格です。また、大規模なソーラーパネルの設置のために森林を伐採したりして近隣住民から激しい批判を受けるケースもあります。
また、パネルの製造段階で温室効果ガスが出たり、先に述べたコスト重視の事業者が森林を伐採したり観光地の景観を破壊したりして「本当にクリーンな電力なのか」と言われることもあります。
このように様々な問題点も指摘されるメガソーラーですが、地球温暖化がなくならないかぎり注目を浴び続ける事業であり、インフラファンドの有力な投資先だと言えるでしょう。